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2013 JICA-AUCI Regional River Basin Seminar in Montevideo, Uruguay

8月26日(月)〜30(金)にウルグアイ・モンテビデオ市で開催された,流域管理セミナーにJICA短期専門家として出席.南米は初訪問で片道25時間の長旅でしたが,出席した各国の行政官はとても熱心で,有意義な情報共有の場となりました.JICA専門家の吉田充夫先生とも再会することができ,国際協力の仕事を肌で感じるとても良い機会になりました.

 

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(上)開会式には,JICAウルグアイ所長,AUCI所長(JICAのカウンターパート)の他にウルグアイの環境大臣,水道局総裁,日本日本大使が臨席.ウルグアイでは近年,都市の水質悪化が問題となり,マスコミに取り上げられるなど世論の関心が高い.今回は南南協力事業ということで,アルゼンチン,ブラジル,チリ,サンサルバドル,ボリビアなどの近隣諸国の行政官が出席し,ウルグアイの活動について学ぶと同時に,それぞれの活動について報告した.

 

 

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(上)吉田先生による講演.先生はJICA側のプロジェクトリーダーとして,数年前からウルグアイの水質改善事業に貢献されてこられた.先行事業の提言の中に,流域委員会の設立が提案されており,これを受けてサンタルシア川流域では,数年前に委員会を設立,水質改善に向けた活動を進めてきた.そのようなわけで,錦澤は日本における流域委員会の運営方法について話題提供.1時間ほどの講演で,質疑応答が30分ほど続くのには驚きましたが,話をする側としては嬉しい限りでした.

 

 

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(上)セミナー4日目は流域の関連施設を視察.上の写真は排水処理施設.

 

 

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(上)現在は使われていないポンプ室.昔は蒸気機関を利用して配水していたとのこと.イギリス製.

 

 

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(上)牧場を視察.排水池での微生物による浄化がうまく機能しておらず,し尿が川に混入していた.サンタルシア川流域の水質汚染の最大の問題は,ノンポイントソースによる汚染といわれている.つまり,工場などの汚染源が特定できない汚染負荷量をいかに低減するか.ですが,今回の現地視察で明らかになったのは,ここで見たような牧場などによる水質汚染.工場などのポイントソースと比較すると個々の負荷量が小さく,対策が遅れている現状にある.これらの小規模なポイントソースをいかに対策していくかが今後の課題.

 

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(上)モンテビデオの街並み.こちらは南半球ということで季節は冬になりますが,昼間は暖かく初夏のような陽気.

海岸には砂浜がひろがり,散歩やビーチバレーなどのスポーツを楽しむ人の姿も.

 

 

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(上)ウルグアイの主食は肉.「アサード」と呼ばれる伝統的な焼肉が有名で,牛,羊,鳥などの肉の塊を大きな鉄板で炭火で焼く.肉は日本の霜降り肉などはなく,血が滴るような肉の塊.内臓や腸詰なども一緒に食べる.

 

セミナーは毎日9:30〜18:00頃まで発表・議論が続き,ウルグアイをはじめとする南米各国の行政官の方々,皆さんとても真面目で勉強熱心なのに驚きました.川と人とのつながりがとても大事にされている証ですね.また吉田先生は,ウルグアイの方々からの信頼があつく,ことあるごとに感謝の言葉を耳にしました.吉田先生だからこそなせる業ですが,国際協力や開発援助の現場を知るとてもよい経験ができ感謝です.

 

今回は,ウルグアイ到着時に人生初のロストバッゲージにあい,幸先の悪いスタートとなりましたが,吉田先生曰く南米などでは時折あることで,荷物を二つに小分けした方がいいとのこと.翌日無事にホテルで受け取ることができたので不幸中の幸いですが,これもまた良い経験.

 

来年はIAIA大会がチリで開催されるということで,この経験を活かしたいところです.